マイケル・コース コレクション(Michael Kors Collection)は、2019年フォールコレクションを発表した。
ニューヨークのチプリアーニ・ウォール・ストリートを会場に発表された、2019年フォールコレクションのシーズンテーマは“ドリーミング(Dreaming)”。1970年代後半から1980年代にかけての華やかなムードに着想を得た今季のコレクションでは、クリエイティビティに満ちた、自由なファッション、スタイルを表現。デザイナーのマイケル・コースが当時実際に目の当たりにした、自由でエッジの効いたファッション、シアター、音楽、アートにあふれたニューヨークのムードを、ピースに落とし込んだ。
輝かしいゴージャスな気分を端的に表しているのは、ファーを使ったウェアだ。エレガントなボタニカルモチーフのコートの襟や袖口には、ボリュームのあるボルドーのファーをあしらい、シャープなエレガントスタイルに大胆な魅力をプラス。また、センシュアルなフリンジのミニドレスにはファーコートを組み合わせることで、より一層ファビュラスな雰囲気を演出している。
象徴的なのは、ニューヨークの伝説的なナイトクラブ「スタジオ 54」とタッグを組んだウェアやアクセサリー。きらびやかなゴールドとシルバーで表された“54”のロゴが、ミニドレスやカットソー、シャツ、バッグにあしらわれている。身頃を覆うようにスパンコールを配したミニ丈のドレスは、袖のダイナミックなファー使いでアイキャッチに仕上げた1着。バッグ、シューズもシルバーに統一し、夜に映えるナイトクラブの華やかさを表現している。
ミニマルなベージュニットのウェアをレイヤードしたスタイルは、ダンサーからインスパイアされている。華奢なキャミソールドレスに、アシンメトリーにセーターを着こなし、アームウォーマーやレッグウォーマーを組み合わせたスタイリングは、シンプルかつ、ヘルシーなフェミニンさを感じさせる。
注目したいのは、多様な表現のアウター。マルチカラーのレザーパッチワークジャケットは、落ち着いた色味ながらも、華麗な存在感を放っている。また、目の大きいヘリンボーンのロングコートや、フリルを配し、アシンメトリーなシルエットに仕上げたニットガウン、金ボタンや袖口の装飾といった、ナポレオンジャケットのようなディテールを取り入れたカーキのコートなど、様々な表現をフレキシブルにデザインに投影した。