ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)の2019年春夏コレクションが、ミラノ・ファッションウィーク初日の2019年9月19日(水)に発表された。
情熱や愛、様々なキーワードの象徴として使用される赤。ヌメロ ヴェントゥーノの新作コレクションは、この“赤”一色に染まった会場を起点にスタートする。ブランドがこの赤い光に込めたメッセージは定かではないが、その色彩が持つエネルギーを存分に浴びたピースは、個性的で、何かを主張するかのような力強さを持っているように映る。
一つのキーワードとして挙げられるのは、色気。きゅっとくびれたウエストや長く伸びた脚。そういった女性のセクシーなパーツを強調させるシルエットが主流だ。スカートはレッグラインにフィットするようにタイトで、ドレスも身幅を絞ってコンパクトにまとめ、ほとんどのワンピースは脚全体を露わにしたスーパーミニ丈となっている。足元に合わせられたのも、華奢なミュールだ。
センシュアルな魅力は、妖艶に打ち出されるのではなく、素材・装飾・カラーに個性を持たせることで、味のあるスタイルへと変化する。タイトスカートは、光沢のあるビニルのような素材で作られ、キャミソールドレスは総ビーズ刺繍によって飾られる。
本来は上品であるはずのリトルブラックドレスも、ふくらはぎの辺りまで伸びたビックリボンで一工夫。ノースリーブのドレスの上には、フェザーたっぷりのベストを重ねてデコラティブに仕上げた。カラーは、発色のよいピンクやライトグリーンなどがセレクトされ、個性という名のスパイスをふりかけている。
女性らしいピースに交えて登場するのは、男性性を感じさせるアイテム。フーディジャケットやショートパンツといったアクティブウェアを筆頭に、身幅・アームラインを大きくとったドロップドショルダーのジャケットなど、フェミニニティの中にマスキュリンな要素をほどよく溶け込ませるのが、ヌメロ ヴェントゥーノらしいアプローチである。