ヌメロ ヴェントゥーノ(N°21)の2019年春夏メンズコレクションが、ミラノファッションウィーク最終日の2018年6月18日(月)に発表された。
最終日のトップバッターを飾ったヌメロヴェントゥーノ。今季は夏の風を感じられるような軽快なショーだった。そして、肌を見せること、もっと言えば、普段なら見えない洋服の内側を見せることにとても寛容だった。
シャツは胸元がはだけていたり、肩を抜いて着こなしたりして、そこはかとなくジェンダーレスな雰囲気。ニットは首元のあきが広く、中にレイヤードしたTシャツやフォーマルシャツの襟が大きく顔を出している。ボトムスにはハーフパンツが多く提案されている。内側を見せるという点では、スウェットのデザインも面白く、表裏が逆になったような仕立てだ。
そしてもっとも象徴的だった今季のファブリックはクリア素材。コートから、パーカー、ハーフパンツ、バッグまでがレッドやブルーに透き通っていて、それ越しにインナーやライナーが見えている。対照的に、とても硬質的なケミカルファブリックや、クラシカルなチェック柄を交えているのは、ブランドの真骨頂であるハイブリッドの美学が根源にあるからこそ。
もうひとつ、今季を語る上で欠かせないのがグラフィック。爽やかなブルーのストライプシャツの胸元にはフォトグラフィーをのせてカジュアルダウンした。またイエローやグリーンなどの原色が交わる中で、海の景色が採用されている。心の表すような景色がワードローブの内側だけでなく、着る人の内側までもを照らし出してくれるのではないか、今季の軽快なショーにそんな想いを感じた。