高橋一生と川口春奈のW主演で『九月の恋と出会うまで』が実写映画化。2019年3月1日(金)に全国ロードショー。
「九月の恋と出会うまで」は、“書店員が選んだもう一度読みたい文庫”恋愛部門第1位に選ばれた、松尾由美・著書による純愛ラブストーリー。
風変わりなマンションに引っ越した北村志織は、部屋の壁から「1年後の未来にいる」と言う男の声に話しかけられ、小説家志望を目指している隣人・平野進の尾行を頼まれる。こうして2人は行動をともにするうち、互いに惹かれあっていくことに。
小説家を目指している営業マンであり、マンションの隣人・志織と一緒に未来から聞こえる声の主を探すことになる平野進は、『嘘を愛する女』『blank13』など注目の出演作品が後を絶たない俳優・高橋一生が演じる。以外にも恋愛映画への主演は、『九月の恋と出会うまで』が初という高橋。劇中ではどのような恋愛模様を繰り広げるのか注目だ。
部屋の壁から「1年後の未来にいる」と言う男の声に話しかけられ、平野を尾行することになるOL・北村志織を演じるのは、『一週間フレンズ。』で主演を務めた川口春奈。「幅広い世代の方に楽しんでもらえる作品にしたい」と意気込みを語っている。
『九月の恋と出会うまで』でW主演を務める高橋一生と川口春奈にインタビューを実施。本作のストーリーに触れながら、恋愛映画特有の役作りや自身の俳優業について話を伺った。
『九月の恋と出会うまで』の出演が決まった時、率直にどのように感じられましたか?
川口:「あ、恋愛だ!」って。
高橋:「ラブストーリーが来た!」と思いました。この作品は、タイムリープな要素も入っているので“王道ラブストーリー”というわけではないのですが、純粋に大切な人の事を一途に想うイノセントな男女の姿が描かれていて。30代後半になって、こういったピュアな恋愛映画のお話を頂けるとは思ってもいなかったので、ありがたいと感じました。
川口: 高橋さんが仰った通り、この作品自体ラブストーリーとはいえども特殊な設定なので、これまで出演してきた恋愛作品とは違う、色んな表情をみせることができたらいいなと感じていました。
お2人は初共演ということですが、現場に入られてからはお互いにどのような印象を受けましたか?
川口:憧れを抱いていた人に実際にお会いした時、“期待していたイメージと違う”と感じることって、誰にでも起こりうることだと思うんですけど、高橋さんは私が抱いていたイメージそのままの素敵な方で。現場を重ねれば重ねる程好きになっていくというか、その優しいお人柄に終始魅了されていました。
高橋:僕は最初川口さんに対して、物静かな方なのかと思っていたんですが、実際会ってみると本当に気さくな方で。現場で沢山話しかけてくださったので、僕自身非常に救われました。
“救われた”というのは?
高橋:僕は撮影中、共演者の方と自然にお芝居ができるように、試行錯誤しながら相手にとっての“居心地の良い空気感”を探るんですが、特にラブストーリーを演じる際は、それをどんなに心がけていても、お互いのある種の気恥ずかしさが一瞬でもみえてくるものなのです。
今回は、それを感じることはありませんでした。自然体で振る舞ってくれる川口さんの気さくな人柄が強く影響していたんだと思っています。
そんな高橋さん演じた“平野進”は、ちょっぴり風変わりで、恋にも不器用なサラリーマン役でしたが高橋さんの目にはどのように映っていましたか?
高橋:僕最近は役でいる時間がどうしても長くなっているので。役と自分を引き離して考えられないんです。撮影期間の僕が、“平野自身”というか…平野でモノを考えているので、平野という人物に対して「恋に不器用な奴だ」などと客観的に何かを思う瞬間は特になかったです。
川口:たしかに、高橋さんは平野そのものでしたね。細かい仕草1つをとっても、平野というキャラクターを丁寧に表現しているのだという事が、ひしひしと伝わってきて。高橋さんが、“平野”として目の前に立ってくださったことで、私の演じた“志織”というキャラクターをより引き出してくださったのだなと思っています。撮影中は、高橋さんとは切り離した“平野”という男性にずっと恋をしていました。
“恋をする”という演技は、どのような感覚で芝居に落とし込んでいるのでしょう?
川口:今回の作品では、平野と志織は“出会うべくして出会った”男女だったと感じていました。なので私の場合「よし、恋をするぞ!」と意気込むこともなく、2人の間に沸き起こる自然な感情の流れに身を任せることを意識していました。
高橋:僕は、“触れていないのに、触れている”ような感覚を意識していたのかもしれません。例えるなら、電車の中でふと目が合う男女。あの瞬間って、何か相手に気付かれるような“見えない手”で、その人に触れてしまっている気がするんです。