ティート トウキョウ(tiit tokyo)は、2018年3月19日(月)に、2018-19年秋冬コレクションを東京・渋谷ヒカリエにて発表。ランウェイには松井愛莉が登場し、コレクションの世界を華やかに表現した。
今シーズンのテーマは「SOMEWHERE」。インターネットやAIなどテクノロジーに囲まれた社会で未来に向かっていく中で、“リアル”の世界の中の穏やかな理想郷を探しに、自分の足を使って旅に出ていく様子を描き出す。インスピレーションとなったのは現実に存在する自然、空気、音、光の美しさ。前シーズンより考えてきた、ティート トウキョウの未来観を提示する。
ブルーやイエローなど鮮やかなカラーリングのファンシーツイードは、広い自然界の中にひっそりと存在する鮮やかな色を抽出して表現。織られた糸の、何種類もの色が混ざり合い、名前の付けられないような、複雑な色彩を放つ。1つ1つの色そのものはヴィヴィッドであっても、その複雑な混合とツイードの織りの柔らかさが、優しい光へと導いていく。
様々な編み方のニットも散見された。緩急のあるニッティングによって裾にかけて波打つフレアを描くトップスや、フリンジをあしらったニットセーター、ふわふわとした毛並みのニットをレイヤードしたスタイルなど、その1点1点に細やかな技巧が感じられる。日本各地の職人によるハンドニットならではの手触りにより、温かいオーラが表出する。
フェイクハラコで仕立てたレオパード柄のコートや、リアルファーの写真をプリントしたフェイクファーのトップスなど、リアルの表現の中に“虚”が混ざっていく。進化していくテクノロジーを使うことで、逆説的にリアルに近づけていく。
重力や動きに逆らわず、流れるようなシルエットが印象的。ロングスカートやワンピースは歩くたびに揺れ動き、優雅なドレープを描いていく。モッズコートやナイロンパーカーのような活動的でカジュアルなウェアも、あるがままのラインを描きながら、身体を包み込んでいく。パーカーはバックにボリュームを取って仕上げているため、空気を含んで空中に舞い、見る者に余韻を残す。
格子柄のポリエステルコットンは、グリーンベース、ブルーベースどちらも色調はソフトだが、どことなくデジタル画面の粒子のようにも見え、独特の浮遊感を表す。3つ用意された大きなバッグは、何を持ち帰るかまだ決められていない。明るいグリーンやブルーの生地が光に照らし出される様子は、その“何か”を探しに、外へ出ていく希望や期待を表現しているかのようだ。