アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)が、2018-19年秋冬コレクションを2018年1月19日(金)にフランス・パリで発表した。
純粋にモノづくりに向き合うことで完成したのは、日常に当たり前のように存在する素朴なワードローブだった。今季は、ごくスタンダードなアイディアを中心に、体を包み込むようなオーバーサイズとミニマルなシルエットによって少しずつ変化をもたらし、その両方の良さをいかしたそれぞれのスタイルが提案されている。
ルーズなシルエットのニットプルオーバーは、少し丸みをおびたストンと落ち感のあるシルエット。装飾は少ないが、色味はキャメルやグレーなどの控えめな色合いとブルーやレッドの鮮やかな色合いを共存させることで特徴的に仕上げている。一方でコンパクトなニットは、ベルトループのないミニマライズされたワイドパンツ、あるいは光沢のあるレザーパンツとともにスタイリングが構成される。
アウターも無駄をそいだシンプルな印ものが多い。例えば、シングルのスーツは言わずもがな、ステッチが唯一の装飾と言っていいほどのツイル素材のカバーオール、スナップボタンを採用したオープンカラーのウールコートなど。これらもまた、デザインをプレーンにすることで素材の良さだったり、ディテールへのこだわりだったりを引き立てているようだ。
そして何より、今季はキー素材となるニットが大活躍している。地形のような荒いテクスチャーであったり、ビビッドカラーを交えたノルディック柄であったり、自然や時の経過を感じさせる落とし込みは今季ならでは。ディテールで言えば、ごくスタンダードなフード付きコートのヨーク部分を横切るパネルとして、レザーブルゾンの襟元とバックスタイルのモチーフにも採用された。そして、いくつか提案された波打った模様は、シンプルだからこそ糸本来の表現の豊かさを教えてくれる。