ロエベ(LOEWE)の2018年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。今季のロエベウーマンは世界中を旅する女性。クラフトに造詣が深い人物で芸術的な感性が鋭い人物だ。
そんな女性像を表現するために、クリエイティブ ディレクターのジョナサン・アンダーソンが取ったのは、ラフなアイテム使いとアシンメトリーなカットアウト。
旅に最適なアイテムとして、今季はTシャツを提案した。シンプルな白いTシャツとロエベのロゴTシャツ。それに、ストレスなく歩けるブーツとスニーカー、気候の変化に対応できる大判のショール、バケットハットを。ボトムスにはデニム、さらにジャージ素材も起用して身軽さを追求する。
揃ったワードローブには、ロエベウーマン独自のクリエイティビティでアレンジを加える。白Tはロングワンピースにして、パステルカラーのチェック柄テキスタイルを上から重ね、ロゴTシャツは裾をカットとしてフリンジのように飾る。旅のお供にと、ライニングがなく、リバーシブルで使える新作バッグ「テント」も取り入れた。
また、旅先で見つけた文化はファッションとして取り入れる。そんな自由なマインドを表現するかのようにパッチワークデザインが多く登場。ペイズリー柄、マルチカラーストライプ、ギンガムチェック。これらをベージュ、ホワイト、ブラックといったベーシックカラーとコラージュしてドレス、コートなどを作り出した。
彼女の創造性を象徴する不均衡なシルエット。ロングドレスはウエストあたりでくり抜くようにカットアウトされ、トレンチコートは裾を細かく切り込みリボンテープが斜めに広がる。そこに、レザーのパッチワークを添えて。細かな刺繍や整列したくるみボタンも、彼女のアーティスティックな感性を物語る。
なお会場には、スティーブン・マイゼルが撮影したロエベのビジュアルから作った大型のタペストリーとモー・ジャップによるミニチュア陶芸彫刻をデコレーション。装いだけでなく空間そのもので、ロエベウーマンのキャラクターを表現していたようだ。