リック・オウエンス(Rick Owens)の2012-13年秋冬コレクション。リック・オウエンス自身が想像する神秘的で、衝動的な壮大なスケールの山の頂上を目指して登りつづける事をイメージした、コレクションのテーマは"MOUNTAIN"。
注目はハイウエストのパンツのスタイル。シャツを組み合わせ、見事なカッティングのテーラードジャケット羽織ったルックは斬新かつエレガント。岩石、地形学やスカルにインスパイアされた、コクーンシルエットのショルダーや誇張されたラペルがデザインポイントとして深い印象を残す。ここでスカルはリック・オウエンスにとって死と学習を意味するのだという。
カラーはブラックが中心、ソフトブラック、クリスプブラック、チープシャイニーブラック等の様々なバリエーションで登場した。薄暗い印象を残すホワイトは1936年のベルリンオリンピックを彷彿とさせる。そこに強い高揚感と幸福感をイメージしたブルーが加わって、コレクションに色の輝きを与えるてる。
兵士の様なマスキュリンなボディーをイメージしたスタイルは、ショルダーやネック部分にボリュームを持たせ、固い素材を使い男らしさを表現。またダブルブレストのロングコートやウールのロングスカートはリックオウエンス流のタフなエレンガンスをうかがわせた。
リック・オウエンスの真骨頂ともいえる美しいカッティングとシェイプをルック全体から堪能することができる。次々と革新を生むリック・オウエンスのデザインは、今季彼が思い描く山の高みにまた一歩近づいたようだ。