アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2017-18年秋冬メンズコレクションは、80年代の働く男たちが持っていた、洋服への強いこだわりを再現。急速にマーケットが成長する現代において、真のビジネスマンと呼べる人はいるのかという疑問から端を発し、かつて彼らがそうしたように、生地やシェープに魂を注いだ。
時代感を反映するように、ラペルや襟は広めで大きめ。そのボリューム感に負けないよう、丈や身幅も大きめに取られている。それとは対照的に、トラウザーズはスリム。長めに取られた股上も相まって、レトロに見せたかと思えば裾は短めで、ハイカットのシューズとの相性が良い。
一方でボトムスにボリュームを持たせる場合は、ハイゲージのニットウェアを使い、タイトな印象に。サスペンダーで持ち上げられた上質なテキスタイルのスラックスが、コーディネートの主役を張っている。
またベーシックなアイテムに変化を加えているのが、ネックがとても長い、プルオーバーのトレーナーだ。ジップを開け、襟のように着こなすこのアイテムは、単体でも十分な存在感を発揮するが、アウターとの相性も抜群。首元の立体感が、全体のシンプルさにアクセントを与え、どこか現代的なニュアンスを与えている。