メンズブランド「エトセンス(ETHOSENS)」の2012年春夏コレクション。1年毎にテーマを設けるエトセンスの2012年春夏テーマは前シーズンに引き続き「DEAR MISTAKE (親愛なる間違い)」。
コンピューターのように正確ではない人間は時に間違いをおかす。それでも”間違い”また、そこから生まれる”違和感”は、完璧でないが故にとても魅力的に見えることがある。そんな意味がこのテーマに込められている。それは完成されたスタイルに対するアンチテーゼであり、オーセンティックに考えた時に決して「正解」とは言えないディテールデザインや、素材やスタイルの組み合わせで表現された。
これまでよりややゆったりとしたボックスに近いシルエットで、ライトな仕立てのジャケットにボリュームのあるショーツなどを組み合わせたスタイリングが今季の一押し。モノトーンを中心としつつも、今回はネイビーをカラーパレットに加えた。
注目はブランドにとって初めて岡山生産のデニムを取り入れたこと。「以前からエトセンスらしいデニム表現とはいったいどのようなものか考えていた」いうデザイナーの橋本。生の段階でポケットラペルを貼り付けブリーチをかけた後に全てを解き”跡”を残す。こうして1枚の布が本来ないものがあるかのような、立体的な表情を見せている。
シャツをベースにカーティガンやTシャツをイメージしたアイテム、Tシャツからフロントをジレに切り替えたアイテムなどは、エトセンスらしいレイヤード感やだまし絵的な錯覚を引き起こす。その他、前回も人気だったライダースにトレンチコートのディテールを組み合わせたアイテムや、クラッシックなドレス素材とカジュアルなTシャツをミックスしたトップスなど、正解ではない組み合わせで魅力的なスタイルを作り上げた。
トータルで気心地も十分考慮され、ストレスフリーで着用できるコレクションだ。