オランピア ル タン(Olympia Le-Tan)の2016年秋冬コレクションは、画家のデイヴィッド・ホックニーのスタイルと、オランピア・ル・タンの友人であるエマニュエル・ペロタンのギャラリーに所属するアーティスト達の作品からインスピレーションを得た。
個性的でアーティスティックな世界。黒縁の丸眼鏡、コーデュロイやツイードのジャケット、風変わりな柄のソックスやセーターなど、エキセントリックなワードローブが次々に現れる。“アート”なアイテムはあげればきりがない。
ダニエル・アーシャム、ソフィ・カル、村上隆などの現代美術作家による作品や、彼女が敬愛するエドゥアール・マネの代表作「オランピア」は、イラストレーターのピエール・ル・タンによって描き起こされ、美しいプリントとなってコレクションの随所を彩っている。さらには、ツイードのジャケットやワンピースに取り付けられたフェルトのアップリケ、ドレスに施されたスパンコール刺繍のパターンにも、アートは姿を変えた。アトリエを彷彿とさせるカラフルな絵の具は、刺繍のトロンプルイユとしてあしらわれている。
メンズライクなオリーブのコーデュロイやグレーのツイードは、ピンクのサテンやレインボーカラーのモノグラムを配したシルクツイルと合わせることで女性らしいムードを演出。ふんわりとエアリーなスカートやタイトなワンピースを用いたシルエットがその演出に拍車を掛ける。一風変わった洋服に織りまぜられたフェミニンな心遣いは、ブランド特有の表現だろう。
そして、芸術性の高さはバッグにも余波を。フェルトにシルク糸で刺繍を施したイブニングバッグと、毎日の気分に合わせて刺繍のアップリケでカスタマイズできるプレーンなデイバッグが、今回のデコラティブなコレクションの仕上げとして用いられている。