アンダーカバー(UNDERCOVER)は、パリ・ファッション・ウィーク4日目の2016年3月4日(金)に、2016-17年秋冬ウィメンズコレクションを発表した。
会場に流れるのは、ルー・リードの楽曲『Perfect Day』。様々な解釈はあるが、音楽は最愛の彼女との満ちたりた日々を振り返り歌っている。公園デート、週末の旅行。穏やか日々を懐かしむ、複雑な哀愁を絡ませたメロディ。
その音にのせてスタートを切ったのは、リラクシングルック。ワイドなボアパンツ、ガウンコート、シャツとボトムスで色柄を合わせたパジャマ風セットアップ。ニットトップスに描かれた、裏の顔を所々見える女性たちは、失恋の傷を皮肉っているようにも解釈できる。
進行するにつれて、ショーは複雑でギミックに。ヘリンボーンコートは、デフォルメしたラペルを飾り、トレンチコートにはダウン地をミックス。ライダースジャケットには“猫モチーフ”の素材をパッチワークして、テーラードジャケットは解体して、数枚の布を継ぎはぎしロング丈に。ニットカーディガンには、たっぷりのファーをコンビネーションさせた。
ラストは、本来洋服の上に羽織るはずのアウターを装いをのせる土台へと“進化”させて、レイヤードの概念を揺るがす。コートにプリーツ入りのシフォンやゴールドのコルセットを添えて、ドレスへと昇華。ボリュームや風貌からはウェディングドレスにも見え、旅立つ彼女を見送る切ない男心をも想起させる…。
小物は、コレクション背景を投影させた、デザイン性のあるものばかり。ラジカセやギター型のバッグ、メタリックカラーのヘッドフォン、枕型クラッチ、“虫がまみれた”ハンドバッグ。加えて、昨シーズンの“お城”はバッグウエストバッグに形を変えている。