2011年4月15日、ラフォーレ原宿で開催されたノゾミイシグロ オートクチュール(NOZOMI ISHIGURO haute couture)の2011−2012秋冬のファッションショー。
震災の影響を受け、サンプルの不足から一度は中止されたが、新たにデザインを起こし、コンセプトをマリアンヌフェイスフルの名曲である「As Tears Go By」に変更し、コレクションが発表された。
当初の「どこにもない国・どこにもいない人々」というコンセプトから北の国をイメージし、キーカラーとしてベージュが起用。素材においても、このコンセプトに基づいて様々なファーのアイテムが巧みにスタイリングされている。
メンズのハットや刺繍の施されたニーハイソックスなど、どこか北欧を連想させるアイテムも数々登場した。
震災後の新たにキーカラーとして掲げられたのが赤。モデルに統一された深紅のルージュやファーストルックの赤いファー、レッドのニットドレスなどは全体のアクセントとなり、コレクションに華を与えているが、デザイナーによるとそれは「非常事態」の象徴として用いた色だという。
「この状況下で強くて変わりたいという思いをこめた。」とデザイナーが語っていたように、全体としては暖かみやフェミニンな雰囲気が漂っている反面、繊細な中にも強さを感じさせるコレクションであった。