ミッソーニ(Missoni)の2016年春夏メンズコレクションがイタリア・ミラノで発表された。
インドへの旅を通じて生じた、感情や感覚の変貌。緩やかな時間の浸食や、文化と伝統の表現、繰り返される活力の創出がヨーロッパのマナーを捨て去り、アジアの心情的な覚醒を感じるコレクションを展開した。
力の抜けたシルエットと柔らかなテーラリング、力強いカラーリングなど、アジア側からのマインドを強く反映したワードローブ。素材にも、洗いざらしのリネンやコットンのちりめん生地、シンボリックなニット、インディゴ染めされたコットンなど個性的な面々が採用された。
エメラルドグリーンや朱色、インディゴは、ターメリックやマリーゴールドのようなイエローや、アメジストの輝きによってその色合いを増した。インドの情景がさまざま想起されるような、カラーの解け合いが感じられるパレット。その情景は、神聖な儀式であったり、忙しく働き回る市場であったり、はたまた琥珀色の砂漠や長く伸びる日没の光であったり……。
イレギュラーに組み合わせられたチェックやストライプ、漁師のユニフォームからインスピレーションを受けたデザインなど、古くからその世界で伝わる技術を完全に落とし込んで、再構築したフォルムが散見。ジャケットに着けられた4つのポケットや、ミリタリーから着想をえたダブルブレストのブレザー、パジャマが再解釈されたパンツなど様々なモチーフが取り上げられている。
また今シーズン初めて、バッグメーカー「グローブ・トロッター(GLOBE-TROTTER)」とコラボレーション。大ぶりのスーツケースやトローリーバッグなどが、ベージュとレッドのアイコニックなデザインで登場した。フットウェアでは、カリフォルニアのメーカーのサンダルが2パターン展開。環境に優しい素材が採用された手縫いのマリブサンダルが、足元から鮮やかなパワーを放っている。