2015年3月7日(土)、オランピア ル タン(Olympia Le-Tan)の2015-16年秋冬コレクションが、パリファッションウィークで発表された。ステージにはキラキラと輝く星、そして城が描かれたパネルが設置され、お遊戯会がはじまる前のようなワクワクした気持ちにさせてくれた。
今季のテーマは「The Red Shoes」。インスピレーションを与えたのは、ロシアのバレリーナたち、そして歌手のケイト・ブッシュだ。
バレエのエッセンスはそこらかしこに転がっている。例えば、パニエのように広がったコットンオーガンザのワンピースや練習着を想起させるレオタード、『白鳥の湖』のイラストをウエストラインにあしらったスカートなど。
キュートなアイテムを味方につけ、ロマンティックなムードが流れると思いきや、どこか狂気じみている。ランウェイを踊りながら歩くモデルも、舞うというよりは踊り狂うといった感じ。というのも、オランピアは“狂気”も大切なポイントとして挙げているのだ。それは、シフォンブラウスなどに描かれたバレリーナのイラストにも反映されている。長く伸びた手足は、ゆらゆらと揺れ、可愛らしさと不気味さが共存しているよう。
一方で今季も、ユーモアあふれる小物が揃った。テーマと連動する真っ赤なバレエシューズや王冠のようなヘアアクセサリー、バレエシューズ形のバッグや『くるみ割り人形』のイラストを配したハンドバッグがラインナップ。もちろん人気のブック型のバッグも新作が登場した。
ラストルックは、ステージを表現したトップスが登場。幕が閉まっていくイラストとリンクするように、ショーも閉幕を迎え、今季もオランピアの斬新なアイデアが心に残るコレクションだった。