ミラノファッションウイークの最終日、2015年3月2日(月)。ディースクエアード(DSQUARED2)の2015-16年秋冬コレクションが発表された。
20周年を迎えたブランド。カナダ人デザインデュオのディーン&ダンは、自分たちの原点をブラッシュアップしたのかもしれない。カナディアントライバルをベースに、イギリス人貴族の要素、さらにミリタリーをミックスさせたワードローブが揃った。
展開されるアイテムは、どれも個性的。大判のポンチョやブランケットスカート、金糸の刺繍を施したガウチョパンツなど。なかでも、イヌイットを想起させるボリューミーなコートは、群を抜いてインパクトがあった。ボディ部分は、トライバル調の幾何学模様とファーを重ね合わせ、フードには更にたっぷりとファーをあしらった。ビジュー付きの華奢なサンダルという、意外性のある組み合わせも斬新。
コレクションを通して、固定観念に囚われないコーディネートが継続して展開された。ナポレオンジャケットとビスチェ。ここまでは高貴な雰囲気だが、グラフィック模様のインナーを重ね合わせたり。またヴィクトリア調のドレープドレスには、ミリタリージャケットとフォークフロア調のタイツをあわせたり。既存の枠にはまらない、大胆なアプローチは、ショーにエンターテイメント性をもらたす。
小物も、トライバルの強い影響を受けているよう。エスニック調にアレンジされた、アイコニンバッグ「ツィンピークス」やボア付きのハイヒール。また、グローブやクリスタルジュエリーなど、気品あふれるものも揃った。
開拓時代の能動者である貴族。また受動者である先住民。それらを混一させたウェアを提案し、対比を緩和する姿勢からは少しラジカルなメッセージも込められているような気がした。