sacai(サカイ)の2015-16年秋冬メンズは、ダークカラーのオーセンティックなアイテムに、いつものサカイらしい遊び心のあるディテールを加えたコレクションだ。会場は、ブランドショップが立ち並ぶサントノーレ沿いの教会。その荘厳な雰囲気の会場に、モデルが立つ箱を設置し、その箱を行き来するような演出でプレゼンテーションは幕を開けた。
まず目につくのは、これまではあまり使ってこなかったアウトドアウェアを連想させるアイテム。ハンティング用のジャケットをモチーフにしたウールジャケットは、セットアップで提案。ヘムを異素材で切り替えた定番のシャツと可愛らしいチューリップハットを合わせることで、山臭さを中和している。膝上丈のステンカラーコートは、ナイロンの裏地がフードからコートの様に融合。80年代のアウトドアベストは、素材を都会的なボアに置き換えている。
ミリタリー系では、スイス軍モチーフのミリタリージャケットは、ポケットを大きめに、素材をウールにすることでモダンにアレンジ。ミリタリーコートとビッグストールを縫合したハイブリッドなポンチョは、今回のコレクションを代表する存在感のあるアイテムだ。
ジャケット類は、スタンドカラーで着こなす提案が新鮮。ヘリンボーンニットの3つボタンジャケットは、チンストラップのみを留めて、スタンドカラー風にスタイリングしている。小物使いでは、片方を長くしたロングマフラーが目立つ。
定番となりつつあるフランスのシューズブランド「パラブーツ」とのコラボレーションは、チロリアンブーツ型の「MUCY」を選択。ブラック&ホワイトのコンビネーション、深いネイビーのアッパーにキルトタッセルを付けている。シルバーとゴールドのやや厚底のサンダルはオリジナルで作ったものだという。
Text by Kaijiro Masuda(Fashion Journalist)