リック・オウエンス(RICK OWENS)の2011年春夏コレクション。
ピカソがカードボードで作った白い鳩の作品がインスピレーション源というコレクション。白、黒、グレーなどのワントーンを中心に構成されたカラーパレットはミニマルの極み。 前半と終盤に登場したスカートは引きずるほどのマキシ丈。豊かなドレープがゴージャスなもの、ストイックなまでにプレーンなワンピース、ドレープと直線的なスカートを重ねたものなどバリエーションは豊富だが、いずれもシルエットはシンプルで構築的。トップスはタイトでシャープなものが多いが、いずれも丈は短めで、ハイウェストのスカートと組み合わされることで際立って足長に見える。
一方中盤に登場したミニ丈スカートのルックでは、布を折り畳むようなボリュームのつくり方、前よりも後ろが長めのスタイルが印象的。全体的にミニマルだが、アシンメトリーなディテール、異素材の組み合わせなどで実に多様なスタイルを作り出している。薄い円盤に腕を通したようなアームレット、足首のボリューム感のあるシフォン使いなど、アクセサリもスタイリングのアクセントとなっている。
ストイックかつゴージャス。ピュアの極みでありながら提案するスタイルは多種多彩。リック・オウエンスのデザイナーとしての圧倒的な実力を改めて示した至極のコレクションとなった。