イザベル マラン(ISABEL MARANT)が、2015年春夏コレクションを発表。今シーズンは、グラフィックアーティストのジュゼッペ・カポグローシや、スペイン人画家のホアン・ミロー、また彫刻家のアレクサンダー・カルダーや、現代芸術家のアントニ・タピエスらが創造するモダンアートからインスパイアされ、それらをトライバルスタイルに落とし込んだコレクションを披露した。
民族的な要素を、イザベル マラン流にアップデートしたスタイルが多く見られる。例えば、ジュゼッペ・カポグローシの絵は、アイコニックなトライバル風の柄として再解釈され、トップスやワンピースに用いられた。アフリカの人々が身につけるような、プリーツレザーを使用したスカートやベルトも目に留まる。そのほか、腰みのを彷彿させるようなミニ丈のラフィアスカートや、フリンジやタッセルがあしらわれたジレやポンチョは、どこか遠い異国の装いを想わせた。
カラーでは、大地を想起させるような赤茶がショーの中盤に登場するワードローブに多用された。また、ポンチョなどに見られる優しい色合いのエクリュも多く登場し、コレクション全体に暖かな印象をもたらす。
さらに、時折意外性のあるエレメントが取り入れられた。中でも着目したいのは、柔道着のような素材で作られたアイテム。たくさんのフリンジがついたスカートと共にコーディネートされたジレは、和とトライバルが融合したスタイルを提案している。またダチョウの毛を用いたブレスレットやガチョウの羽がついたベストなど、野性味溢れる素材も多く見られた。そのほか、美しい貝殻がワンピースやパンツにあしらわれ、繊細な表情を見せる。
今シーズンも、フェミニンとマスキュリンのバランスを意識しつつ、異国の要素を多分に取り入れ、モダンで力強い女性像を表現した。