ミツル オカザキ(MITSURU OKAZAKI)の2025年春夏コレクションが、東京ファッションウィーク期間中の2024年9月2日(月)、原宿のギャラリー「プラット(PLAT)」にて発表された。
「狂気」をテーマに掲げた今季のミツル オカザキ。デザイナーの岡﨑満は、人間が物事に熱中している時や、スポーツ選手の試合前などに垣間見える“狂気的な瞬間”に心を揺さぶられた。そんな情熱を超えた、狂気のさまを表現したコレクションを展開していく。
雨嵐のサウンドが鳴り響く中、鮮やかなレッドカラーのファーストルックが登場。情熱を象徴するカラー・赤のセットアップに、血しぶきを浴びたようなシューズを合わせることで、エネルギーの強さを感じさせる。岡﨑は、纏う者にも“生命力がみなぎるように”とのメッセージを込めた。
今季を象徴するディテールは、細長い楕円型カットアウト。意表を突くディテールだが、整然と楕円型の空間を生み出すことでカットアウトをエレガントに落とし込んでいるのが特徴だ。エレガンスを突き詰めると、だんだんと狂気に変わっていく過程を、ジャケットやシャツ、パンツの衣服全体を通して体現した。
また、無数のボタンを用いたルックも印象的。たとえば、X型の大胆な切り込みを入れ、ボタンを縫い付けたシャツは、すべてのボタンを開けて着ることが可能。ボタンを留めている時は“正気”、外している時は“狂気”といった、表裏一体の関係性を表している。
長かった嵐が止み、一転して鳥のさえずりの平和なムードが会場を包み込む。エネルギーに満ちあふれていた狂気から正気に戻ったかのような、全身真っ白の軽やかなラストルックで、今季のショーは幕を閉じた。