ミントデザインズ(mintdesigns)の2024-25年秋冬ウィメンズコレクションが、2024年3月15日(金)にオンライン形式で発表された。
「モザイク(MOSAIC)」をテーマに掲げた今季のミントデザインズは、素材や形などを“砕く、圧搾する”という行為に着目。細かくなった砂状のものや、小さなかけらが混ざり合い、新たな模様や形状が生まれる様子からインスピレーションを受けたという。具体的には、機械的な動きの連続で発生する色柄や形、ピクセル化、寄せ木細工、デジタルコラージュ、倉俣史朗のポストモダンデザインなどをクリエーションのヒントとしている。
中でもテーマをより直接的に表現したモチーフとして、モザイクタイルがあげられる。粒の細かなモザイクタイル調の柄は、タイル模様を用いて「MINTDESIGNS」のロゴなどを浮かび上がらせた。グレーやブラックなどの落ち着いたトーンで、胸元へわずかにギャザーを寄せたロングワンピースや、裾が広がるトップス、ゆったりとしたパンツなどに採用。本来、壁や床などの無機質で頑丈な素材に添えられるモザイクタイルを、有機的で動きのあるやわらかなモチーフとして昇華した。
また、“破片を組み合わせる”というモザイク画の手法に沿ってか、異なる型紙やパターンをバラバラにして再構築したプリント柄も散見された。直線的な枠組みのなかに幾何学的な図形を配し、さらに矢印や英字などを重ねたオリジナルのグラフィックとして、ジャケットやスカートなどに用いられている。
ジャカード織りは、表面をよく見ると織り込まれた糸が“ピクセル化”を彷彿とさせる。モノクロの糸を使用して、太めのストライプを表現したジャカード織りは、ルックの中盤で登場。ノースリーブのトップスとスカートでは、ストライプ模様をわずかにずらしたり、パンツではサイドに、異なる向きのテキスタイルを重ねたりするなど、目の錯覚を起こさせるようなデザインに仕上げた。また、いずれも糸をそのまま活かしたフリンジがあしらわれ、立体的な印象を強めている。
カラーパレットは、ホワイトやグレー、ブラックの無彩色を中心に、ミントグリーンやベージュなどの淡いトーンを重ねていた。落ち着いたカラーを取り入れつつも印象的だったピースは、1つのテキスタイルの上から、異なる柄やモチーフを加えたデザイン。ワンピースやワイドパンツには、部分的に細かなストライプがあしらわれていた。
また、アースカラーをカラーブロックで配したアウターや、ベージュからイエロー、ブラウンからベージュなど、違った色味の素材で切り替えたトップスとパンツもアイキャッチ。新たな柄やモチーフを加えたり、テキスタイルを繋ぎ合わせたりして生まれるカラーリングは、「モザイク」の手法に対する敬意と愛情を感じさせた。