エトロ(ETRO)の2023-24年秋冬メンズコレクションが発表された。
今季のエトロは、新クリエイティブディレクターのマルコ・デ・ヴィンチェンツォによる「エトロマスターズ」と題した初のメンズコレクション。展開されるのは、エトロのアーカイブから集めた重厚なファブリックを使用した、“家庭的な温かみ”のある洋服だ。
ファーストルックに登場したのは、マルコが子どもの頃に大切にしていたブランケットから着想を得たウールコート。柔らかなベージュの色味や、丸みのあるディテール、木のボタンが、どこか懐かしく居心地の良い雰囲気を演出する。円とダイヤを重ねた特徴的なパターンは、今季を象徴するものとして、この後もニットやジャケットの上で再現されていた。
まるでルームウェアのような、もこもことした肌触りのテディショーツ&トップスも、家の中の安心感や居心地の良さを表現するアイテム。ヴィンテージライクなウエストバッグや、スタッズ付きの革靴を合わせることで、リラックス感のあるセットアップに洗練された都会の雰囲気をプラスしているのもポイントだ。
家具やインテリアからアイデアを得たピースも散見された。たとえば、大胆にストライプを配したオーバーオールは、なめらかな落ち感のカーテンを思わせる1着。テーブルクロスに似たシャツや、カーペットのようなジャカードコートも、コレクションをユニークに彩る。
面白いのは、プリントがない代わりに、ジャカードと織物で多彩な柄を演出していること。サイケデリックな波模様はふわふわのファジーニットに溶け込み、視覚と触覚の両方を刺激。また、ブランケットの柄はベロア素材のパンツに同化し、遊び心たっぷりのフルーツ柄はかぎ針編みの3Dモチーフとなってニットを装飾している。
ルックに華を添えるアクセサリー類にも注目。リラックス感のある厚底のフェルトアラジンクロッグやスタッズ付きのクロッグスニーカー、ジャカードベルベットのショッパー、家具としても使える特大レザートートバッグなどがコレクションを彩った。