コム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARÇONS SHIRT)の2014-15年秋冬コレクションが、フランス・パリで発表された。
遊び心ある、ひねりの利いたデザインが特徴的なコム デ ギャルソン・シャツだが、今回象徴的に使用されたカラーは「黒」。コム デ ギャルソンというブランドを体現する色であるブラックを、全面に取り入れている。
黒の中で際立つのが柄使いだ。抽象的なパッチワークや、間隔の異なるストライプ。パリ出身のアーティストNicolas BUFFE(ニコラ・ビュフ)の描くイラストは、その中でも大きな存在感を放つ。目を凝らせば見えてくる、細くて軽いタッチで描かれたとびきりユニークなモチーフ。有名キャラクターをパロディ化したようなプリントであったり、細かなモチーフがペイズリー柄を形作るようなグラフィックが見られた。
そしてもうひとつ、コレクションを読み解くキーワードになっているのが「中世」。フリルや二重になった袖、ウエストのみが絞られたゆったりとしたシルエット。かなりモダナイズされた、中世の衣服の片鱗が感じられるディテールは、デザインの大きなアクセントになった。
ブラック中心でも、あくまで軽さを消していないのもポイントだ。足元は丈が短めのパンツに白いキャンバススニーカーを組み合わせ、トップスは袖とボディで切り替えたり、ボタン部分にギャザーを寄せてインナーを見せたりと、効果的に白を投入。そして終盤、斜めに配されたボタンや切り替えが特徴的なシャツの数々は、中盤までとは一転してブルーに。ブラックに始まったショーの最後に、ひときわ爽やかな風を残した。