アシードンクラウド(ASEEDONCLOUD)の2022年春夏コレクションが発表された。
アシードンクラウドが2022年春夏に舞台とするのは、ある街の修道院。そこには、薬草を使っての薬作り、錬金術やまじないを研究する修道士と、10人の孤児たちが一緒に暮らしていた。子どもたちが大きくなると、修道士は修道院の奥の部屋にこもって研究に没頭するも、子どもたちも彼から習った薬草などを使って、人びとを病から救うようになるのであった──。
そうした物語の背景を映しだし、コレクションは中世の修道院の雰囲気を漂わせる。修道士が着用するジャケットは、さながら白衣のようにロング丈。ライナーにはポケットを多く配して、研究にも便利なディテールを機能性に置き換えた。また、スペンダー付きのパンツは、上品にタックを配しつつも、ワイドシルエットでリラクシングに仕上げている。
10人の子どもたちは、それぞれの相性に応じて5人、3人、2人でグループを作る。そのうち5人組の子どもたちは比較的大人しい性格、静かに薬草を摘んでいる。そういった作業にもうってつけであるよう、ポンチョはゆったりとしたシルエット。撥水素材を採用した独特の光沢感も特徴だ。また、ワンピースは修道士のスモックがベースであり、控えめな性格を反映して身体を包み込むようなシルエットに仕上げた。
一方、3人組の子どもたちにはアクティブさをイメージ。チェックブラウスはドルマンスリーブに、スカートを思わせるパンツはワイドなキュロットタイプというように、ファブリックの分量をたっぷりと取りつつも、軽やかで動きやすい仕上がりが特徴だ。
さらに、双子の2人には、さながらペアのようなウェアを提案。ジャンプスーツやベストには、布地に繰り返し泥を塗る工程を経ることで、深みのあるブラウンと重厚な手触りをもつ中国の泥染めの素材を採用した。
多彩なワンピースにも、コレクションの世界観を詰め込んでいる。シアーな素材感のワンピースやブラウスには、個性豊かなスミレの花の刺繍を散りばめて。果実や草木をプリントしたワンピースは一見ボタニカルな平静さを装いながらも、それぞれのモチーフにはまじないの意味合いを込めている。