カール ラガーフェルドはシャネル(CHANEL)の2013-14年クルーズコレクションを、シンガポールのデンプシー ヒルでショーで開催。常夏の熱帯植物とエキゾチックな旅の地が、クルーズのショーの理想的な舞台として選ばれた。
椰子の木が茂る庭園では、バハイナやロンドンのDJホース ミート ディスコ、ラテン歌手のセニョール ココナッツが演奏を披露し、華やかな一夜を演出。この夜、カール ラガーフェルドは時を越え、マドモアゼル シャネルが1913年にドーヴィルで創出したスタイルと、コロニアル調のスタイルをミックスさせた独自の世界を創り上げた。
今季はホワイト、ブルー、ライトピンク、ブラックなどの知的なパウダーカラーが軸。ワントーンでまとめられた、シンプルかつ豪胆な最初の数ルックが今回のコレクションの基調を物語る。ベルト付きのロングニットのポケットに両手を入れて歩くモデルの腰には、象徴的なカメリアのブローチ、そしてや胸元と手首には何重にも巻かれたパール。
ガブリエル シャネルの考案したシルエットから再考された、ホワイトコットンのパンツには、太めのセーラーストライプのチュニックを合わせて。ジーンズにはショートブレザーやルサージュの刺繍が施されたブラックチュールのブレザーがコーディネートされた。
プロテクターを履いた「クリケットプレーヤー」ルックでは、オフショルダーになったVネックセーターに清潔感のあるシャツ、ネクタイなどマニッシュなワードローブがアクセントに。両ポケットにジッパーを施した、高級感のあるレザーのアビエイタージャンプスーツは、ガブリエル シャネルがウィメンズワードローブのスポーツテイストに愛着を持っていたことを彷彿とさせる。
代表的なツイードやスパンコールをはじめ、ストロー素材のペンシルドレス、透けたクレープドレス、ブルーのシークインとパールが施された、ルサージュの刺繍ドレスなどありとあらゆる素材感のドレスが次々と現れる。特筆すべきは、光沢と滑らかなラインで格別フェミニンなシルエット、計算された動きやすさ。光は、メタルやクリスタル、ミラーガラスのビッグチェーンネックレスに「シャネル N°5」のボトルを模したバッグによって演出された。