2013年10月1日(火)、アー・ペー・セー(A.P.C.)が2014年春夏コレクションをパリのショールームにて発表した。
創設者ジャン・トゥイトゥ(JEAN TOUITOU)のコレクション解説によれば、このコレクションがあくまでも"READY TO WEAR"であることを念頭に置いて製作したという。そして女性性を強調しすぎないアイテムになるよう気を使った。例えるならそれは、異性にアピールする服ではなく、同性もしくは自分自身で素敵だと思える服だ。
そんなコンセプトにぴったりなのが、豊かなヴァリエーションでラインアップしたジャンプスーツ。こうしたメンズライクなアイテムを女性が着こなすからこそ、その美しさが光る。ジッパーを用いたグレーがかったものには、実際にメンズコレクションで発表した生地を使用しているそうだ。
今季のヴァネッサ・シワード(VANESSA SEWARD)とのコラボレーションは、クリーンなシャンブレーワンピース。付属の艶やかなタッセルと胸元に入った深いスリットがドラマチックだ。シルクにシルバーのルレックス(ラメ用の糸)で花柄を描いたシリーズは、身にまとえば可憐でエレガントな印象を与えてくれるだろう。太陽のようなオレンジのグラデーションをプリントした、アーティーなマキシワンピースも登場している。
ラウンドシェイプがかわいらしいバッグは、使うごとに味の出てきて、その色の変化も楽しめるというベジタブルレザー製。(だからといって野菜が練り込まれてるわけじゃないよ!とジャンがジョークを飛ばす)
シューズに関しても、女性が泣かない靴は実際限られていて、作るのが難しいことを指摘。APCの提案したものは、「なんのへんてつもないけれど、どこにもない」とデザイナーが呼ぶリラクシングなフラットサンダルや、安定感とセンスの良さを兼ね備えたヒールだった。靴と言えば、先日発売されたばかりのナイキ (NIKE)とのコラボレーションスニーカーは、来春も展開されるそうだ。ホワイトとネイビーの爽やかなカラーリングのハイカットは、また人気を呼ぶに違いない。
「では最後にちょっとしたサプライズを…」とジャンが言うと、元気なキッズモデルたちが登場した。踊ったり飛び跳ねたりと、彼らはとにかく元気。レディースと揃いのプリントを、レインコート風のフーディーなどの子供らしくアクティブなアイテムに仕立ててある。退場する際、ジャンの後ろに3人がくっついて歩く様は、まるでカルガモの親子のようでなんとも愛くるしかった。