滋賀県立美術館では、リニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」を、2021年9月18日(土)から11月14日(日)まで開催する。
リニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」は、滋賀県立美術館の所蔵作品を中心に、選りすぐりの作品167件を、ジャンルや時代の別なく紹介する展覧会。美術館のすべての展示室を会場に、その建築の特徴を活かして“回遊式”の展覧会を展開する同館初の試みとなる。
作品をよく見ることは、作品の「声」に耳を澄ますことに喩えられる。そしてその「声」は、作品同士の思いがけない繋がりへと観る者を誘うことがある。本展では、日本画、郷土美術、現代美術、そしてアール・ブリュットという4つの分野のコレクションを、作品の「声」を聞くことで結びあわせてゆく。
会場では、同館設立の契機となった小倉遊亀本人寄贈の作品22件をすべて展示するほか、アンディ・ウォーホル2件20点や、館内初公開となるアール・ブリュット作品など、コレクションの代表作を一挙公開。また、白髪一雄が延暦寺で修行したおりに制作した《不動尊》と、同寺が管理する重要文化財《不動明王二童子立像》を同じ空間で展示する。
さらに、3組のゲストアーティストを招いての新作展示も。緻密なサーチに基づき多様な表現を展開する田村友一郎は、アンディ・ウォーホルの作品に現れるイメージ自体に着目した作品を用意する一方、「うつす」行為を通して消えゆくものの価値に光をあてる中尾美園は、小倉遊亀をテーマに作品を制作。そして建築家ユニット・ドットアーキテクツは、休館中の学芸員たちの活動記録をベースに、美術館の意外な景色を提示する。
本展のタイトルにある「ボイスオーバー」とは、映画などの画面に現れない話者などの声を重ねる語りの手法をいう。これは、作品を長く保存し展示する過程で少しずつ新しい意味を見つけて加えていく、美術館の役割と通ずる考えである。本展では、幾つもの「声」が交錯し、それらがひとつに調和するのではなく、多声的に鳴り響く展示を楽しむことができそうだ。
リニューアル記念展「ボイスオーバー 回って遊ぶ声」
会期:2021年9月18日(土)〜11月14日(日) 会期中に展示替えを実施
会場:滋賀県立美術館 展示室1〜3、ギャラリー
住所:滋賀県大津市瀬田南大萱町1740-1
休館日:月曜日(9月20日は(月・祝)開館)、9月21日(火)
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高・大生 800円(600円)、小・中生 600円(450円)
※( )内は20名以上の団体料金
※身体障害者手帳などの所持者は無料
※内容は変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページを確認のこと)
■主な出品作家
イケムラレイコ、アンディ・ウォーホル、小倉遊亀、河原温、草間彌生、アーシル・ゴーキー、澤田真一、志村ふくみ、白髪一雄、塔本シスコ、野口謙蔵、速水御舟、コンスタンティン・ブランクーシ、ジャクソン・ポロック、アンリ・マティス、横山大観、李禹煥、マーク・ロスコ
■ゲストアーティスト
田村友一郎、中尾美園、ドットアーキテクツ
【問い合わせ先】
滋賀県立美術館
TEL:077-543-2111