映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』が、2021年10月30日(土)より、シアター・イメージフォーラムほかで全国順次公開される。
映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』は、前作『Porfirio』がカンヌ国際映画祭監督週間に出品された新鋭監督アレハンドロ・ランデスの3作目にあたるサバイバル・オデッセイ。各国の映画祭で63部門にノミネートされ、サンダンス映画祭やBFIロンドン映画祭など計30部門で受賞を果たし、世界の映画祭を席巻した。
物語のベースとなったのは、南米・コロンビアで50年以上続いた内戦。暴力の脅威にさらされ続けたコロンビアの歴史と、外界から遮断された世界で生きる少年少女兵の思春期のゆらめきを重ね合わせ、美しい映像と共に幻想的な世界観を描く。
<映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』あらすじ>
時も、場所も、定かではない世界のどこか。《猿》と呼ばれた8人の若き兵士がいた。
世間から隔絶された山岳地帯で暮らす8人の兵士たち。ゲリラ組織の一員である彼らのコードネームは“モノス”(猿)。「組織」の指示のもと、人質であるアメリカ人女性の監視と世話を担っている。ある日、「組織」から預かった大切な乳牛を仲間の一人が誤って撃ち殺してしまったことから不穏な空気が漂い始める。ほどなくして「敵」の襲撃を受けた彼らはジャングルの奥地へ身を隠すことに。仲間の死、裏切り、人質の逃走…。極限の状況下、“モノス”の狂気が暴走しはじめる。
キャストは、『キングス・オブ・サマー』を代表作に持ちながら、写真家としても活躍するモイセス・アリアスや、『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』のジュリアンヌ・ニコルソン。
また、アリアス以外のMONOSメンバーは、コロンビア全土から集まった800人以上の中から、演技未経験の精鋭たちが選ばれた。彼らは、アンデス山脈の高地で行われた過酷な訓練と演技オーディションを経て、出演を勝ち取っている。さらに、実際のゲリラ組織「FARC」を脱退したことで賞金首となった過去をもつ元戦闘員も、MONOSの司令官であるメッセンジャー役を演じた。
選考について、アレハンドロ・ランデス監督は「選ばれた30人がアンデス山脈の高地で行われた基礎訓練キャンプに参加しました。そこでは即興や演技の練習のほかに、武器の持ち方や隊列の組み方などの軍事訓練を行いました。この訓練を指導したのは、ウィルソン・サラザールというFARC(コロンビア革命軍)を脱退したゲリラ組織の元司令官です。私はたちまち彼に惹かれ、最終的に“メッセンジャー”役を演じてもらうことになりました」とコメント。
さらに、「この過酷な訓練で生まれた人間関係やグループの力関係を見て、私たちは“モノス”になる8人を選びました。このプリプロダクションが本当にすべてでした。何週間もの間、人里離れた場所で、出演者が非常に近い距離で一緒に生活することで、ユニークでダイナミックな体験を共有することができたと思います。撮影が始まる前から、この体験が彼らを結びつけていたのです」と製作の過程を明かした。
音楽も映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』の魅力の1つ。音楽を担当したミカ・レヴィは、『MONOS 猿と呼ばれし者たち』で数々の賞にノミネートされ、ブエノスアイレス国際インディペンデント映画祭とベルギーのゲント国際映画祭で受賞を果たしている。
【詳細】
映画『MONOS 猿と呼ばれし者たち』
公開日:2021年10月30日(土)
監督・脚本・製作:アレハンドロ・ランデス
音楽:ミカ・レヴィ
出演:モイセス・アリアス、ジュリアンヌ・ニコルソン
提供:ザジフィルムズ、インターフィルム
配給:ザジフィルムズ
協力:ラテンビート映画祭
2019年/コロンビア=アルゼンチン=オランダ=ドイツ=スウェーデン=ウルグアイ=スイス=デンマーク/スペイン語・英語/シネスコ/5.1ch/102分/原題:MONOS/字幕翻訳:平井かおり