アンダーカバー(UNDERCOVER) 2021-22年秋冬メンズコレクションが発表された。
今シーズンは、着慣れた日常着を、アンダーカバーのフィルターを通した“少しずれた視点”で再解釈。ツイストをきかせたコレクションの核となるのは、これまでもブランドと深い親交を築いてきたMarkus Akessonのアートワークである。“複数の蛾が背中に止まる青年の後ろ姿”や、“蜘蛛の足で無邪気に遊ぶ少年”など、ブランドの世界観にも通ずる、そのちょっぴりダークで毒々しい絵画の数々が、ロングジャケットやベスト、ニットセーターといった冬の日常着を大胆に彩っているのが印象的だ。
またこうしたアートワークは、プリントや網目模様といった2次元的表現だけでなく、3Dのアクセサリーとしても登場。アートの中で、顔をぐるりと覆うように巻き付けれられたピンク×グレーのスカーフは、いささかボリューミーなアクセサリーとして現実世界へと飛び出した。ブラウンを基調にしたルックの中では、アクセサリーのもとになった絵画のプリントも起用しているため、モデル自体がアートから現れたような既視感のあるビジュアルへと導いている。
また今季を語る上で、イーストパック(EASTPAK)とコラボレーションした特別なアウターウェアの存在も欠かせない。同ブランドのバックパックに着想したというロングコートは、ジップ付きの大きなポケットや持ち手といった、象徴的なディテールを大胆に配しているのが特徴。またカラーも、明るいイエローやグリーン、レッドなど、スポーティーなパレットを取り揃えている。
コラボレーションウェア以外にも、今季らしいツイストをきかせた日常着が登場。寒い冬にぴったりなポカポカのダウンウェアは、よく見ると中のフェザーが半透明のファブリックから顔をみせる、ユニークな仕上がり。
またいかにも着心地が良さそうなニットのセットアップは、アーガイル柄を反転させることで、モダンな遊び心を閉じ込めている。
マフラーに代わり、ぐるりと首元に巻き付けたのは、ニットで編み込んだ薔薇のアクセサリー。ベーシックなグレーのジャケット×スウェットの上で、真っ赤な花びらを咲かせるその姿は、トゲを持つ花の毒々しい美しさをより一層引き立てているように感じられる。