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ディースクエアードのディーン&ダンにインタビュー、“昨日の夢は今日の現実”2人の25年を振り返る

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1994年、ディーン・ケイティンとダン・ケイティンの双子によってスタートしたディースクエアード(DSQUARED2)。時にセクシーでありながら、時に力強く、そしてラグジュアリーなディースクエアードのファッションは、他のブランドとは一線を画す個性をもつ。

ディースクエアード 25周年のカプセルコレクションより
ディースクエアード 25周年のカプセルコレクションより

ディースクエアードは、立ち上げから変わらずミラノを拠点に活動しており、今では音楽アーティストや一流スポーツ選手など、数多くのセレブリティをはじめ世界中にファンをもつブランドとなった。創設デザイナーが活躍するブランドが少なくなる中、ディースクエアードは、今やミラノの重鎮的存在とも言える。

今回、25周年を迎えたディーン&ダンに、これまでの歩みを振り返ってもらう。ディースクエアードのルーツとなる彼らの生い立ち、ミラノを拠点に駆け抜けた25年間でのできごと、そしてディースクエアードの未来をうかがった。

ディースクエアードができるまで

ディースクエアードのディーン&ダンにインタビュー、“昨日の夢は今日の現実”2人の25年を振り返る|写真1

Q:ディーンさんとダンさんは、どのようなきっかけで、ファッションに興味を持ちましたか。

ディーン:幼いころから僕もダンもファッションが大好きで、興味を持ち始めた明確な時期やきっかけは覚えていません。いつの間にか2人で、ファッションを楽しむことが当たり前になっていました。

ダン:僕たちは、9人兄弟の末っ子として育ち、兄弟姉妹のための特別な衣装を作ったり、スタイリングをしたりと、幼いころからデザイナーやスタイリストの真似ごとをしていて、それが日常の一部になっていたのです。

こうして楽しんでいるうちに、ファッションに対しての情熱は大きくなり、2人でファッションブランドを作るという夢を持つようになりました。そして、夢を現実に変えようと決めたのです。絶対にあきらめないと約束して。

Q:自分たちのブランドを始めようと、具体的に考えるようになったのはいつ頃でしょうか。

ディーン: 19歳の時です。ニューヨークのパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)のサマーコースに参加し、方向性、ビジョン、そして人生設計を決めました。大学では、ファッションの道を行く中で、具体的に何をしたいのか、夢を実現するためには何が必要なのかを探り、“僕たちのブランド”の夢を現実にするための第1歩を踏み出したのです。

と同時に、夢を追うための大きな力になるのは、2人の間にある絆、“恒久的な繋がり”だと気づかされました。

ディースクエアードのディーン&ダンにインタビュー、“昨日の夢は今日の現実”2人の25年を振り返る|写真2

Q:サマーコースを終えた後、トロントに戻りました。その後、ブランドをスタートさせるまでは、どのようなことをしていましたか。

ダン:トロントに戻った後は、ウェイターとして働き、家賃の支払いをしながら、セレクトショップ向けに最初の作品を製作していました。そして、この作品が、僕たちの運命を変えたのです。

ディーン:その通りです。お店で企画されていたファッションショーで僕たちの作品が、認められたことがきかっけで、ポーツ・インターナショナル(Ports International:現在のポーツ 1961)のクリエイティブディレクターである田辺さん(ルーク・タナベ)に注目していただけました。

ニューヨークのパーソンズ美術大学出身の田辺さんの娘さんに会う機会もあり、彼女にも支持してもらって、田辺さんの会社で経験を積ませてもらうことにしました。

Q:ポーツ・インターナショナルの経験の中で、何を学びましたか。

ディーン:自分たちのブランドを実現させるためのすべてです。田辺さんは、ブランドを運営するために不可欠なマーケティング、ビジネス、セールスに関するすべてを教えてくれました。

当時、まだ将来の可能性を開拓中であった僕たちは、彼が与えてくれたチャンスを生かさなければいけないと、すべてにおいて意欲的に取り組みました。とても難しいことではありましたが、本当に素晴らしい体験だったと感じています。田辺さんは僕たちの師匠です。

あえて大きな壁に挑む、ディースクエアードの誕生と挑戦

ショーフィッティング中のディーン&ダン
ショーフィッティング中のディーン&ダン

Q:ディースクエアードのスタートを切りだしたのはどちらでしたか?

ダン:もちろん2人一緒に!僕たちはチームであり、家族であり、デュオでもある。“Dsquared2”は2つの想像力を集結しなければ、完成しません。

Q:スタートアップのタイミングで考えていたことはありますか?

ディーン:僕たちは、自身の視点やバックグラウンドから生まれるブランドを作りたかった。例えば、イタリア人の父、イギリス人の母、生まれ育ったカナダ。それらが常に基礎としてあります。

Q:では、ブランドスタート時に掲げたディースクエアードのビジョンは?

ダン:僕たちが作りたいと思ったのは、仕事も、遊びも楽しむ人のための革新的でありながらウェアラブルな服。昼夜を問わず、心地よく快適に着られる服です。

ただ単に着るものをつくるということではありません。ファッションは、ライフスタイルを充実させるものでなくてはならないし、ファッションは多くの経験を生んでくれるものであるべきです。ディースクエアードは、人が喜ぶ服をつくるということに留まらず、ライフスタイル全てを満たすブランドであるべきだと考えたのです。

Q:どのように進めていきましたか。

ディーン:アイデアをいかにファッションに落とし込むか?それを人々がポジティブなメッセージとして受け取ることができなければいけません。田辺さんのもとで勉強して、ブランドの成長にはそれが大事だと考えていました。

もちろん簡単なことではありませんが、リスクを冒して懸命に取り組みました。そして敢えて、より難易度の高い挑戦をすることにしました。

Q:その挑戦とは具体的に何ですか?

ディーン:コレクション発表の場をヨーロッパにしたこと。僕たちと僕たちの夢の間に、“海と言語”の大きくて厚い壁を置きました。

もしニューヨークを発表の場に選んでいたとしたら、バスに乗っていつでもすぐに家に帰ることができたし、もし失敗したとしたら、すぐに辞めてしまうこともできただろうから。“とにかくやるしかない”状況を故意につくりました。

Q:デビュー当時、ミラノではヴェルサーチェジョルジオ アルマーニなどの重鎮デザイナーたちが、すでに活躍していたと思います。2人は若手としてどのような手段で、ディースクエアードを発信していこうと考えましたか。

ダン:ディースクエアードにしかないファッションアイデンティティと、ビジョンを固めることに全力を尽くし、新しいアイデアは常に発信するチャンスをつくるよう努めました。

こうして掴んだチャンスの中に、2000年のマドンナとのコラボレーションがあります。ディースクエアードにとって重要な転機のひとつです。

マドンナ5番目のワールドツアー「ドラウンド・ワールド・ツアー」(2001年)
マドンナ5番目のワールドツアー「ドラウンド・ワールド・ツアー」(2001年)

Q:デビューから6年目のことですね。マドンナとのコラボレーションはどのようなものでしたか。

ダン:マドンナのパンツ製作を担当していた友人に服をプレゼントしたところ、それを見たマドンナがとても気に入ってくれて、さらに僕たちについて知りたいと連絡をくれました。その当時は、ウィメンズの服をまだ1枚も製作していなかったのです!

それがきっかけで、後に発売された『Don't Tell Me』のミュージックビデオに登場するすべての衣装をデザインすることになり、彼女の世界ツアー用衣装150着もデザインするに至りました。

ディースクエアード 初めてのウィメンズコレクション
2003-04年秋冬コレクションでランウェイを歩くナオミ・キャンベル
ディースクエアード 初めてのウィメンズコレクション
2003-04年秋冬コレクションでランウェイを歩くナオミ・キャンベル

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