ジョウタロウ サイトウ(JOTARO SAITO)の2020年春夏新作コレクションが発表された。テーマは「Balance Control」だ。
デザイナー・斉藤上太郎が今考える、シンプルさと大胆さを兼ね備えた新たな"バランス"を表現した着物23ルックが発表された。現代の都市を闊歩するような、力強さのあるモダンなデザインが印象的だ。
青い光と共に登場したメンズのルックは、黒の生地に、木の枝のシルエットをデザインした着物。シンプルで落ち着いた雰囲気の中に、木の枝が広がっていく力強さを感じる。羽織の裏地の赤いペイント柄がアクセントになり、和の雰囲気とモダンな雰囲気が融合していた。
ピンクとゴールドの2色を、着物のパーツに合わせるかのように配色したレディースのルックが登場。全体に明るい色味を使いながらも、黒の枝とシダの葉のデザインで深みをプラスする。帯のピンク・水色・白のペイントアートのような柄は、現代的でダイナミックな印象を与えている。
中盤では、直線的な柄と鮮やかな色を取り入れた、黒・白・グレーを基調とする着物がラインナップ。木目のような線が肩から裾にかけて流れ落ちるようなデザインのルックは、メンズとレディースで1着ずつ用意される。淡いグレーの生地に、黒の木目模様と赤や白のペイント柄を施して、しなやかな木目模様に勢いを加えた。帯は、着物と色違いの赤い木目模様。同じ柄の帯を合わせるという、斉藤上太郎らしい斬新なアイディアだ。
終盤には、大きな花柄を着物全体に散りばめたデザインが多く見られた。昔ながらの日本の着物でも使われることの多い花柄だが、ジョウタロウ サイトウのデザインでは、花のシルエットがはっきりとした線で描かれ、現代的で鮮やかな色合いに仕上げている。曲線的な花柄に対し、直線的な格子柄の帯を合わせることで、インパクトのある新たな"バランス"を表現しているかのようだ。
さらに、都会的な要素を加えるのがクラッチバッグ。白とグレーのストライプに、黒のモダンな花柄を描いたシックなデザインとなっている。