クレンツェンドルフ大尉(サム・ロックウェル)
ヒトラーユーゲントの横暴な教官。ジョジョにとっては、時にアイドルであり、強敵であり、腹心の友である。片目を失い、軍部の指令を無視する謎多き闘志役。
映画を通して、お互いを思いやることこそが大切だと語りかける『ジョジョ・ラビット』。そのメッセージを反映するかのように、劇中には、ポール・マッカートニーからの許しを得て、ビートルズの「抱きしめたい」のドイツ語版を起用するシーンも存在する。ポールは「この映画は誤解されやすいが、本当は人種憎悪に反対する強力な声明だ」と周囲から説得され許諾。愛に溢れる物語に、確かな彩りを添えている。
『ジョジョ・ラビット』は、第44回トロント国際映画祭において最高賞<観客賞>を受賞。タイカ・ワイティティ監督は、「第二次世界大戦の時代が舞台となっていて、シリアス要素もある作品だ。僕らは物語を語り続け、お互いに心に留めておかなければならない。過去に何が起きて、将来何を起こしてはならないのかということをね。それを語るために、過激さとコメディ要素を入れてチェンジアップして描いてみたんだ。そのひとつとして、アドルフを親しみやすいキャラクターとして演じることができたのは嬉しかったよ。」とコメントを寄せている。
また第77回ゴールデン・グローブ賞においては、作品賞(ミュージカル・コメディ部門) と主演男優賞(ローマン・グリフィン・デイビス/ミュージカル・コメディ部門) にノミネート。また日本時間2月10日(月)に発表された第92回アカデミー賞においては、脚色賞を見事受賞した。
映画『ジョジョ・ラビット』
公開時期:2020年1月17日(金)
監督・脚本:タイカ・ワイティティ
出演:ローマン・グリフィン・デイビス、タイカ・ワイティティ、スカーレット・ヨハンソン、トーマシン・マッケンジー、サム・ロックウ ェル、レベル・ウィルソン他
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
<ストーリー>
第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の少年ジョジョは、空想上の友だちであるアドルフ・ヒトラーの助けを借りながら、青少年集団ヒトラーユーゲントで、立派な兵士になろうと奮闘していた。しかし、ジョジョは訓練でウサギを殺すことができず、教官から”ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかわれてしまう。そんなある日、母親とふたりで暮らしていたジョジョは、家の片隅に隠された小さな部屋で、ユダヤ人の少女がこっそりと匿われていることに気づく。ジョジョの頼りとなるのは、ちょっぴり皮肉屋で口うるさいアドルフだけ…。臆病なジョジョの生活は一体どうなってしまうのか?!