ウィシャラウィッシュ(WISHARAWISH)の2019年秋冬コレクションが、2019年3月22日(金)に渋谷ヒカリエにて発表された。
ウィシャラウィッシュは、タイのあらゆる地方の様々な伝統工芸を、現代的なデザインに昇華し発信するブランド。デザイナーのウィシャラウィシュ アカラサンティスックは、2008年に東京新人デザイナーファッション大賞を受賞、2012年にはMango Fashion Awardsでグランプリを受賞している。
2019年秋冬シーズンは、「Complex SimpliCity」をテーマに、タイの多様性を尊重し、その多くの個性を喜び合うコレクション。デザイナー自身がタイを巡り、各地で出会った伝統的なハンドメイド素材を集めて製作した。
最も目を惹いた鮮やかなボタニカルなモチーフは、「バティック デ ナラ」というもの。ムスリムの女性職人がハンドペイントで仕上げるテキスタイルには、キクの花やシダ科植物の柄が入り乱れるように配されている。透き通るように薄い素材は、スリット入りのロングワンピース、メンズシャツやボトムスに採用されている。
また、タイダイ染めシルクなどの名産地でもあるタイ東北部のコーケン県の「マイ テーム ミー」は、大胆な色合いが主張する鮮やかな色味が魅力だ。今回はメンズスーツや、ウィメンズのクロップドトップとサブリナパンツの組み合わせに用いた。
クラシックなチェック柄は、現地でターバンや腰布に使われる「パーカオマー」という素材。まるで水彩画のように色が滲んで見えるテキスタイルも同じ技法によるもの。ウィメンズでは、裾でフリルが遊ぶボリューミーなワンピースやチュニックで、モダンに昇華した。一方メンズでは、一見ブリティッシュ調のシャツとショートパンツの組み合わせ、2ピースのスーツスタイルにも採用している。