クレージュ(courrèges)の2019-20年秋冬コレクションが、フランス・パリで2019年2月27日(水)に発表された。
アーティスティックディレクターヨランダ・ツォーベルのセカンドシーズンとなる今季は、パリのアイコニックなスポットEspace Niemeyer。プラネタリウムのような球体状の開放的な天井が特徴で、神秘的な雰囲気が広がってきた。
コレクションピースは、このフューチャリスティックな空間とシンクロ。ホワイトやシルバーで固められたセットアップスタイルやセカンドスキンと称されたシースルー素材のトップスをはじめ、長靴のように太いブーツ、額まで広がったビッグサイズのアイウェア、顔全体を覆うロゴ入りニット棒などのアクセサリーもまた不思議な光を放ち、未来的な空気を作り出している。
また、浮遊感のあるディテールも、フューチャリスティックな世界観を盛り上げている。コートやジャケットなどにアタッチされたボアパッチは、洋服の上で浮かび上がっているよう。ドレスは2枚布になっていて、外側のテキスタイルをくり抜くことで立体感のあるデザインが完成している。
印象的に差し込まれたのは、エロティックで遊び心溢れる作品を描く、アーティストVava Duduのデッサンからインスピレーションを得たモチーフ。長く伸びたネイルや華奢な手、唇など、人間の身体の一部を想起させるモチーフは、プリントや立体刺繍となって、パンツやドレスの上に配置された。
特徴的なデザインが多く提案されているが、ベースにあるのは、クレージュの長き歴史。フューチャリスティックなコレクションではあるが、クリエーションの起点は、70年代初頭のクレージュのカラフルなスケッチだという。