ディースクエアード(DSQUARED2)の2019年春夏コレクションが、2018年6月17日(日)にイタリア・ミラノにて発表された。今季もまたメンズ・ウィメンズ合同でのショー開催となった。
装飾的なワードローブで観客を毎シーズン驚かせてくれるディーン・ケイティンとダン・ケイティンがモチーフに選んだのは、その真逆にある“実用的”なワードローブ。今季は、ミリタリーにフォーカスした。
とは言え、彼らの自由な発想から生まれる“実用的”な部分は、そのまま“装飾的”な部分へと直結しているらしい。収納力抜群のポケットはランダムに配置され、カーゴパンツに至ってはサイドではなくフロントにフラップポケットが移動している状態。また、アジャスターは不要なまでに長いベルトが垂れ下がっていて、中には裾を引きずるほど長い紐もある。パッチワーク状のアウター類は、濃淡あらゆるカーキやブラウンで構築し“装飾的”要素を強めている。
中盤に入ると2つめのキーワードが浮かんでくる。カモ柄のモッズコートには、スポーツパーカーのようにネオンイエローが採用され、白いパイピングが施されている。オーロラのように輝く素材は、ただ装飾的意味で配されているのであろうが、肘や膝などの配置によってまるでリフレクターのようにも思えてくる。
カーゴパンツにも同じく変化が見られ、今までのような大胆なポケットは取り払われ、代わりにネオンカラーが差し込まれた。それらが登場して以降は完全に方向転換。スポーティーなスタイルが勢力を増した。
しかし、そこにはディースクエアードならではの、ラグジュアリーなドッキングやハイブリッドが隠されている。トラックスーツひとつをとっても、パネル化されたカラーの中にはレザー素材が紛れ込んでいるし、ロゴ入りパーカーにはトラッドなスラックスやジャケットを合わせて、クラシカルな一面も覗かせる。オリエンタルなパープルの花柄ジャカードは、ランウェイの中でもひと際異色的だ。
一方で、足元では主張的なミリタリーやスポーティーなアウターやボトムスに引けを取らない存在感を放つ、ハイテクスニーカーを一貫して提案。圧巻のボリュームの中には、ミリタリーを象徴するカーキとオレンジ、そしてアクティブなイメージには欠かせないプリミティブカラーが採用され、実用的かつポップなデザインでスタイリングの肝となった。