クリスチャン ワイナンツ(christian wijnants)の2018-19年秋冬ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。ステンドグラスから明るい光が差し込む会場で発表されたのは、女性らしい優雅さに満ちたクリエイションの数々だった。
全体的にクリーンな雰囲気。無駄がそぎ落とされ洗練された印象を受けるが、シンプルなわけではなくむしろ華やかな仕上がり。
この矛盾した印象を形作るのは、シルエットが一つの鍵を握る。前身頃に施された絞り、スカートのように大きくトップスに巻かれたフリル。布の思い切った遊びは、薄いシルエットを壊さないように計算されている。
プリントドレスやスカートなどに多く用いられたフラワーモチーフ。太めな線描表現や中抜きによって少し抽象化された花々は、フェミニンであると同時にモダンでもある。柄と柄を掛け合わせているのに煩雑にならないのは、モチーフのサイズ感や色味が絶妙にマッチしているためだろう。
一方で、スポーティーなピースであるダウンの取り入れ方にも注目。男性的なイメージの強いマテリアルは、ナローなショルダーラインや背面の膨らみ、マフラーのように体に巻きつけるといった丸みを帯びさせるシルエットによってエレガントに仕上げられている。