ラフ シモンズ(RAF SIMONS)の2018年春夏メンズコレクションが発表された。
会場となったのは、ニューヨークのイーストブロードウェイ75に位置するチャイナタウンの中心。場所と連動するように、ワードローブにもどこかオリエンタルな雰囲気が漂うコレクションだ。地面は雨に降られたように濡れており、モデルたちは傘をさして歩いている。
雨や外気から身を守るように、コートを主役にしたルックが目立つ。濡れた地面のように光沢のあるコーティングが施されたレインコートタイプのコートや、ディテールにトレンチコートの特徴を取り入れたコート、スタンドカラーのコートなど、型のバリエーションは様々。しかし、いずれもアームとショルダーにゆとりがあり、裾に向かって若干テーパードしたシルエットだ。
また、今季はウールの国際的なオーソリティーである「ザ・ウールマーク・カンパニー」とコラボレーションしたことにより、ウールを使用したアイテムもふんだんに披露された。中でも特徴的なアイテムは、襟ぐりを肩から落ちるほど広くデザインした、オーバーサイズニットだ。この肉厚なニットの下からはチェック柄のシャツが顔を出し、意表をつくシルエットデザインに意味を持たせる。
ウールはニット以外に織物でも現れた。ウール独特の重みのある布地で仕立てたコートやジャケットは、当然のことながらトラディショナルなメンズウェアを彷彿とさせる。英国風のチェック柄が取り入れられるとなおのことだ。さらに、アジアの民族衣装を再構築したような、ドレープで魅せるボトムスや着物風の羽織も、同様にして伝統的なものを象徴しているように感じさせる。
そのようなアイテムで構成されていながら、ストリートテイストも併せ持つというのがラフ シモンズらしいところだろう。それは、肩の力を抜いた服の着方や、帽子やスカーフなどのアクセサリー類、グラフィックや写真をプリントした柄などによって表現されていた。