カルヴェン(CARVEN)の2017年プレフォールコレクション。
若きデザイナーデュオ、アレクシス・マーシャルとアドリアン・カヨドがブランドを離れ、デザインチームによって作り上げられた今シーズン。大きな波を超えたどり着いたのは、上品な佇まいにあった。
キーワードは「削ぎ落とされた洗練さ」。デコレーションや変形といった華美な手法は絶ち、ライン・シルエットなど繊細な部分に目を向けた。シャツワンピースは太さの違うストライプを重ね表情を出しつつも、あくまで、アシンメトリーにカッティングした裾のラインにポイントを落として。タイトなニットドレスは、上半身と下半身で編地を変え、さらに裾を少しだけフレアにしてフォルム全体に強弱をつける。
細かな作業によって作り上げたのは、美しさと芯の強さを持ち合わせた女性像。そんなたくましい姿は、デリケートなようで実は葉にトゲを持つ花「ポピー」とリンクする。
この花のモチーフは、ロマンティックなプリントへ生まれ変わり、ドレス、ブラウス、スカート、さらにはシューズにまで登場させた。部分的にレースを配したトップス、スカートも、レース部分に花模様を描き可憐さを纏わせて。
洋服だけでなく、アクセサリーラインのクリエーションにも勢力的だ。ストラップに丸いボタンやハトメをつけて、リズミカルに仕上げたレザーバッグには、フランス・パリの地名やストリート名がつけられている。”パリらしくあること”、昔よりカルヴェンに伝わる伝統的なステイトメントを小物たちが表現している。