ウジョー(Ujoh)の2017-18年秋冬コレクションが、2017年3月20日(月)、東京・渋谷ヒカリエで発表された。
ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の若手デザイナーサポートプログラムの支援を受け、イタリア・ミラノに進出して以来、フランス・パリや北米、アジアなど海外での活動も活発化しているウジョー。ファッションの中心地での経験を経て、さらにアクティブなブランドへと成長を遂げるために、一度固定観念を壊すように、挑戦的なワードローブを目指した。
ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)のパタンナーとして活躍していた経歴通り、美しいパターンが魅力のブランドではあるが、デザイナーの西崎は、そこをあえて脱却するようなシルエットに挑んだ。シャツのレングスを最大限伸ばしたドレスには、柔らかい印象のカラーレスコートを合わせた。
例に挙げたルックでもわかるように、レイヤードでのスタイリングが進化を遂げている。コートに開けられたボタン付きのスリットからは、シャツのフリルが垣間見え、生地感のコントラストを演出。タートルネックのロングニットは、裾をアシンメトリーにし、隙間のある方にはベルトを施した。そこからは、クラシカルなチェック柄や壁紙に使われていそうな水玉柄のボトムスが見え隠れし、テキスタイル同士の響き合いを感じることができるだろう。
西崎は、レイヤードすることで生まれる重厚感を取り除き、むしろ重ねることで引き算が生まれるようなコーディネートを目指す。引き算の達成には、生地感のコントラストだけでなく、スポーティとクラシカルの対比、かっちりとしたアイテムのパターンを再構築することなどの積み重なりによって、“新しい”価値観が生まれつつある。ウジョーが描く未来に期待したい。