マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)の2017年秋コレクションが、アメリカ・ニューヨークで発表された。
巨大な会場ではパイプ椅子が並べられ、1本のランウェイを創り上げている。ニューヨークコレクション“らしい”音楽もなく、ただそこに響くのはモデルたちが歩く足音だけ。前シーズンからは考えられないほどのシンプルなムードだ。
コーデュロイのジャケットとグリッターの効いたスカート、ファーコートにシークエンスのミニスカートとニットポロ、そしてゴールドのアクセントを効かせた真っ赤なトラックスーツ……。カジュアルといえばいいのか、それともラグジュアリーといえばいいのか。まさに両方が入り混じる今シーズンのルックの数々。
まるでモデルたちは毎日着慣れたワードローブを纏うかのように歩いていくが、身に着けている中には、ファーのディテールや個性的なゴールドのアクセサリーが採用され、高貴なエッセンスが後を絶えず現れている。特に金箔のアクセサリーはアーティスト、ウルス・フィッシャー(Urs Fischer)とのコラボレーションによる彫刻でできた特別な遊び心だ。
カラーパレットは落ち着きのあるブラウンやベージュ、ジンジャー、バーガンディなど秋冬らしい温もりにあふれている。刺激的な色が影を潜めた配色は今シーズンのどことなく懐かしい雰囲気に繋がった。