ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)は、2017年春夏コレクションを発表した。
今季のテーマは「ニヒリズムとアナーキズムの現在(いま)」。音楽評論家である間章(アイダ アキラ)の著書『時代の未明からきたるべきものへ』、デレク・ベイリーのあらゆる音源、ニヒリズムとアナーキズムを感じさせる アド・ラインハート、ロバート・マザウェル、サイ・トゥオンブリー、アーロン・シスキンド等のアート作品からインスピレーションを得たコレクションである。
デザイナーの黒田雄一がシルエットでイメージしたのはアド・ラインハートの代表作である無意味な黒く塗りつぶされた矩形の作品。
肩幅は広く袖山は細くした独自のボックスシルエットが誕生した。このシャープでありながらも強さを纏ったシルエットをアイコンに、ライダースやロングジャケットなど様々なアウターに取り入れている。
ここに今季は、個性のある様々なウェアを融合させる。抽象絵画をイメージして身頃の途中からフレアーを入れ3D形状にしたTシャツ、片側のももにベルトを垂らしアシメトリーなボンテージのディテールを添えたサルエルやフレアークロップドパンツ。トラックジャケットの切り替えデザインのMA-1、シャツ地で軽く仕上げたコーチジャケット、2タックのテーパードやバギーのワイドボトムスなども登場して、シーズンテーマの波に飲み込まれるように溶け込み、調和していく。
シーズンを象徴するフラワープリントは、死者への手向け花(無意味な行為だがささやかな繋がりを求める美しい行為)からイメージされたという。ブラックやネイビーなどダークトーンで表現された花々は、スカジャンやシャツ、スリムパンツの上でニヒリズムとアナーキズムを示唆するように余韻を残している。
なお、コレクション発表に伴い、2017年春夏コレクションの動画も制作。ムービーの中では、シーズンルックが色濃く切り取られている。