ミラノファッションウィークで発表された、エミリオ プッチ(EMILIO PUCCI)の2012年春夏コレクション。今季は気高きジプシーのダークなラテンの雰囲気や、映画「Les années gitanes」のブリジッド・バルドーからインスピレーションを受けたとクリエイティブ・ディレクターのピーター・デュンダスは語る。
エレガントなカラフルプリントはプッチのアーカイブから。伝統の柄にボヘミアンテイストをミックスさせ、リラックス感あふれる新しいスタイルを提案した。豊かなドレープやフレアを描くハイウエストのパンツやスカートに、ブラトップや短め丈のジャケットを合わせるバランスが新鮮だ。大きなスカーフを幾重にも重ねたようなシフォンドレスは歩く度に優雅に揺れ、総レースのドレスに刺繍されたスパンコールがライトに照らされキラキラと光り、ゴージャスで華やかなプッチの世界が繰り広げられた。
マニッシュなテーラードジャケットの胸元からランジェリーのようなアイテムをのぞかせたスタイルや、シースルーの生地にプッチ柄をプリントしたドレスは最高にセクシー。レースのスカルモチーフや燃えるようなレッドのオーストリッチのジャケット、そしてアイレット(はとめ)を全体に散りばめたドレスなどからは、ロックなスピリットが溢れている。
ラストルックは純白のウェディングドレス。そのドラマティックなシルエットには、ジプシーの美しく逞しい魂が、気品あふれるクラシックな柄と共に浮かび上がった。