カルヴェン(CARVEN)の2017年春夏メンズコレクションが、フランス・パリでプレゼンテーション形式にて発表された。中央に逆V字の形で設置された、無数の長い平ゴム。伸縮性の暗喩なのかと想像力を掻き立てられる会場に2人のモデルが登場した。
ストライプのリラクシングなスーツを身にまとったモデルは、ごく普通にウォーキングを始める。かと思いきや、突然後ろ向きに歩き出したことを皮切りに、ゴムを利用したダンスを始めたのだ。スーツスタイルのように見えたウェアも、実はスポーツウェアからのインスピレーションが働き、激しい動きにもストレッチが効き、形を崩さない。
シャンブレーやサッカーといった、表面に立体感のある薄手で爽やかな生地を用いることで、夏らしい風合いを演出。さらに、フランスのキルティングから着想を得たハイゲージのニットや、修理のステッチが程よい気配を放つストーンウォッシュのデニム、幾何学模様の輪郭を縁取ったようなプリントなど、テキスタイルの多様性が目を引く。
またウェアに呼応するように、シューズ類の表情も実に豊かだ。デッキシューズやトレッキングサンダル、フリンジブーツのディテールを落とし込んだ、ハイブリッドなスニーカーが、アパレルのパレットに馴染みながらも存在感を発揮していた。