ミナ ペルホネン(minä perhonen)の2016-17年秋冬コレクションを紹介する。
ミナ ペルホネンは21年目を迎えた。今季のテーマは「21年目の 特別な 日々の服」。ギャザーを寄せたワンピース、ショルダーラインをドロップドさせたコート、ふわりと舞うフレアスカート。シーズンの中心にいるのは、ミナ ペルホネンのファンが愛する日常着である。
時の重なりが可能にしたユーモアと繊細な技を交差させて、新たなステージの幕開けに相応しい特別な衣服を形作る。
「フォレスト リング」という名のテキスタイルは、ドーナツ状の丸とそれよりも一回り小さい円を連続的に並べることで生まれたヘリンボーン柄。ネイビーの上にイエローが重なり合い、それを囲むようにグリーンやブラウンが存在する。森の木々のように、一つひとつのモチーフが肩を並べひしめき合う姿は、ぬくもりがあり心を安心させてくれる。
また、イタリア語で庭を意味する「ジャルディーノ」と名付けられたテキスタイルは、すくすくと成長した花を連続的にあしらったもの。中綿入りのコートやコットンベルベットドレスなど、様々なアイテムで顔を出しているが、特筆したいのは、花を囲む空気までも刺繍で表現したブラウスやドレスだ。驚くほど密に刺繍が施され、立体的に仕上がっている。
先に示した‟ユーモア”は、初登場となったスタジャンに投影されている。バックスタイルにオオカミと並んで刺繍された「WOLF&REWOLF」の文字。「REWOLF」は逆さに読むと‟FLOWER”になるという仕掛けが施されていて、オオカミのような強さと花のような繊細さが描かれている。