ミューラル(MURRAL)の2016-17年秋冬コレクションが、東京・代官山で2016年3月22日(火)に発表された。今季のテーマは「ユートピア」。ブランドのフィルターを通した“理想郷”を表現したとデザイナーの村松祐輔は語った。
今季まず目に飛び込んでくるのはファーアイテムだ。コートやジャケット、ショール、そしてパンプスや襟元にまで採用された。だが不思議と重たさを感じさせないのは、こだわりの素材感だろうか。和歌山産だというフェイクファーは、1色に見えるものも実は目を凝らすと、複数の色が混ざっており、立体感を演出している。
ミューラルのガーリーな世界観の定番ともなった繊細なフリル使いは健在だが、今季はファーとのバランスで単純な“カワイイ”だけでない、凜とした強さも感じさせる。
さらに目に留まるのは、様々なアイテムに施された可憐なカトレア(蘭)の刺繍。チェスターコートの腕、ニット、スカートにまるで浮かび上がるように咲いている。そんな花びらのパープルが差し色となり、着こなしをぐんと優美にさせる。
カラーパレットは、実にバリエーション豊富だ。ブラッグ、グレーから始まり、鮮やかなグリーン、イエロー、オレンジそしてパープル、ピンクと様々な色を溶け込ませた。土の色、木々の色、果実の色..なんだか楽園を感じさせる。基本的に無地のカラー使いが目立つが、そんな中にアクセントを加えるのはダルメシアン柄。存在感抜群のファーコートやワンピース、パジャマなどに落とし込まれた。