ユリウス(JULIUS)は2016年春夏コレクションをフランス・パリで発表した。テーマは「sefiroth」で、輪廻転生を連想させるイメージを創作。ホワイト&ブラック、少しだけブラウンを入れたコレクションは、さながら厳かな儀式のようであった。
まず、暗闇のランウェイの中央に3人の男が現れる。2人は上半身はだかで、1人は衣装をちゃんと身につけている。衣服を着た男が、やおらペンキの入った壷に手を入れ、はだかの2人の胸に塗り付ける。こんな凝った演出でショーは幕を開けた。
ユリウスにしては珍しく、最初はホワイトのルックからスタートする。たっぷりしたノースリーブのコートには、ガウチョパンツを合わせ、足元は厚底のブーツ。ジャケットは長めの着丈で、ヘムは鋭角的なカッティングとなっている。
白の後はとうぜん黒。白のラインが入ったトップスに、サルエルパンツかスキニーパンツを合わせている。シューズはオープントゥのブーツか、ソールと一体になったブーツ、比較的プレーンな形のエンジニアブーツだ。
スタイリストにはイギリスのハリス・エリオットを起用。ハリスがもともとユリウスのファンで、タケオキクチのショーで来日した際に偶然出会い、今回のコラボレーションに至ったという。最初の演出や、流木を肩にかけた演出は、彼の仕事。ユリウスならではの世界観はそのままに、ちょっとだけスタイルが一般向けになったのは、ハリスの腕によるところが大きい、と言えるだろう。
TEXT by Kaijiro Masuda(FASHION JOURNALIST)