ウィザード(wizzard)の2015年秋冬コレクションは、エレクトリックミュージックを製作し続けるイギリスのミュージシャン「ピーター・ケンバー」の音楽グループ“エクスペリメンタル・オーディオ・リサーチ(EXPERIMENTAL AUDIO RESEARCH)”の世界観をイメージ。
ノイズ音を想起させるジャカード柄や、TVノイズのように歪みを表現したボーダーなど、オリジナルのテキスタイルを用いたワードローブが並ぶ。プレーンな素材感と、柄のあるファブリックの組み合わせは、奥行きのあるモダンなコーディネートを引き出している。
もともとレイヤードスタイルを得意とするウィザード。今シーズンも、そんなレイヤードスタイルを中心に展開した。普通よりやや短めのアウターの中に、ロング丈のカットソーをインしたり、スキニーパンツに、コクーンシルエットのパーカを合わせたりと、様々なスタイルを提案。チラリとはみ出る裾に”ENR”のロゴを見せるなど、細かいところのバランスも保たれている。
ガーメンツだけでなく、アクセサリー類も充実。レザーのグローブを入れて、コーディネートを引き締めたり、ワイドブリムハットやニットキャップでシルエットに変化を加えたりと印象的に、小物が配置されている。
ルックの後半にはプレーンなウェアに、テーマであるノイズのような柄を投影。洋服をキャンバスに見立て、あるいは画面に見立て、エレクトリックな音楽をファッションとして取り入れたのかもしれない。