セドリック シャルリエ(CÉDRIC CHARLIER)がパリ・ファッション・ウィークにて、2015-16年秋冬コレクションを発表した。
ショーが行われたのは寒さ残る3月はじめ。そしてコレクションのシーズンも秋冬だ。ただ、会場となったセーヌ川沿い、パレ・ド・トーキョーには、まるで春の訪れを感じさせるような、フレッシュな風が吹いていた。ロングコートに、ネイビーとバーガンディーが切り替えられたパンツ、スリッポンのようなヒール。設置された真っ白なランウェイに、そうした出で立ちのモデルが現れたとき、誰もがその春の予兆を感じずにはいられなかったことだろう。
今季のコレクション、ネイビーやブラウン、バーガンディといった抑えめなカラーとともに、ポイントとして、あるいは全身に、ホワイトやサーモンピンク、グリーンといったフレッシュなカラーが取り入れられている。もともとミニマルなカッティングには定評のあったセドリック シャルリエ。今回はベルトやカッティングにより、ウエストにポイントをもたせたものが多いが、その無駄のないシルエット・デザインと、軽くも華やかなカラーリングが相まって、品の良い爽やかさが、たちまち空間を満たしていく。
素材感にチャーミングな工夫がなされていることも、見逃してはならないだろう。その工夫とは、光沢素材をポイントで取り入れること。ショーが進むにつれ、時々パテントレザーで覆われたシューズだけでなはない、コートやジャケットのインナーが、照明の光を反射していることに気がつく。それは比翼シャツであったり、ジップアップのブルゾンのようなデザインであったりするが、いずれもシンプルなコーディネートにほどよくアクセントをプラス。そして終盤には、スパンコールで仕上げたボーダー柄のミニドレスが登場した。きらびやかで、少しだけアーティスティックな余韻を残していった。