グッチ(GUCCI)の2015年クルーズ コレクションは、純粋な美しさと内なる強さという、外見と本質の両面を追求した。グッチウーマンのエレガントな女性らしさと、たくましいボーイッシュな表情が、視覚的なデザインと素材のテクスチャーで描かれる。
クリエイティブ・ディレクター フリーダ・ジャンニーニは「フローラ」パターンを再解釈。中でも注目したいのは、アーティストのクリス・ナイトとのコラボレーションにより、根底から新たな解釈を与えられた、グッチのアイコニックなプリント「フローラ」だ。ムーンフラワー(夜顔)を中心とする夜咲きの花々は、ミステリアスでありながら生命力に満ち溢れている。ノースリーブドレス、ショートパンツ、コットンシャツ、ワイドパンツ、透かしディテールが施されたロマンティックなキャミソールドレスなど、多くのアイテムに描かれた。
今季を彩るのは、パール、ソフトピンク、カモミール、シトラスイエロー、ユーカリグリーンといったバリエーション豊富なパステルカラー。そこにアーモンド、ベージュ、キャメル、ブラックなどのニュートラルカラーが、青味を帯びたトーンで織り交ぜられている。そして淡い色合いの中に、鮮やかなオレンジがアクセントとして加えられ、フレッシュな印象もプラスされた。
ボーイッシュでありながら優雅なボディラインも特徴的。ドレスやスカートは、プリーツがほどこされた膝丈のシルエットが中心となり、女性らしくもスマートな仕上がり。一方、ローウエストの新しいバミューダパンツや60'sスタイルのパンツ、セーラー風のオーバーサイズパンツは、フェミニンなニットウェアとコーディネートされ、洗練されたコントラストを生み出した。
アウターはトレンチ、ウールとジャージーをボンディングしたピーコート、ダブルコート、そしてエキゾチックなレザーのジャケットが揃う。中でもトレンチコートは、ダブルウールを使用することで、ローブのようにしなやかな質感に。その他、レザーアイテムも豊富に展開され、パイソンにナッパレザーをボンディングしたオーバーコートやGジャンからインスパイアされたジャケットなども登場する。また個性的な加工が施されたデニムは、今シーズンの主役のひとつ。ビジューがあしらわれたストレッチデニムのスカートや、股上の深いワイドパンツなどが、柔らかなカシミヤニットとともにコーディネートされた。
バッグのデザインは、トロンプルイユがキーワード。2つ重ねたようなダブル構造のハンドバッグをはじめ、デイタイムの必需品となるアイテムがラインナップ。その他、カーフレザーのクラッチバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグは、すっきりとしたデザインで構築的な雰囲気を備え、グッチのシグネチャーであるバンブーのディテールが取り入れられた。またホースビットのディテールはフラットサンダル、ハイヒールブーツやブーティに用いられ、リュクスなリゾートスタイルを完成させた。