ユーモアあふれるトロンプイユ(だまし絵)で観客を楽しませたヴィクター&ロルフ ( VIKTOR & ROLF ) シャネル スキャパレリランバンなど多くのデザイナーたちが取り入れてきたアイディアを、ミニマルかつモダンに進化させた。黒いジョーゼットのジャンプスーツもその1つだ。アスファルトカラーでショート丈のオールインワンが描かれた1着は、ネックラインのVネックや、パンツのセンターシームなど、細かな部分もしっかり表現されている。直線的なカッティングで、シュールレアリスムの魅力もさらに強調されている様子。
“コントラスト”を、完璧に操ったのプラダ。薄手のインナーに、ビックショルダーのコートを羽織り、繊細なフェミニニティと逞しいマスキュリニティを大胆に融合させた装いを披露した。センシュアルなオーガンザを、ミニ丈の生地に重ねたドレスは、絶妙なバランスの丈感が楽しめる。足元はTストラップのシューズをチョイスし、赤いスカーフを巻いてフェミニンにまとめながらも、アウターは重厚感のあるビックサイズをオン。コートを脱いだときのギャップまで演出するのが、おしゃれ上級者のテクといえるだろう。
おとぎ話の世界観を表現したドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)。花や動物といったメルヘンなモチーフが多く登場したコレクションの中で、今回ピックアップしたいのは、コルセットとともに着こなしたタイトなドレスだ。
大きく開いたデコルテとピッタリとしたスカートがクラシカルな1着は、本格的なコルセットでウエストを強調したボディコンシャスな仕上がり。ランダムなプリーツで上品さを出しつつも、足元は程よく透けて、さり気なくセンシュアルな印象に。レディライクなTストラップシューズも、あえてフラットにして、こなれたムードを醸し出す。